「市場価値」という言葉は転職をしていると何かと聞くものですが、自身の市場価値を上げるためにはどのようなことが必要か、説明できますか?
もし「新しいスキルを身につける!」と答えた方、本当にそうでしょうか?
新しいスキルはあなたの市場価値向上にどの程度影響するでしょうか?
なんとなくは言葉のニュアンスはわかっていても、その意味するところを正確にわかっている人はむしろ少ないでしょう。
このいまいち実態のつかめない「市場価値」ですが、実は今日明日中にでも上げることができるかもしれません。
というのも、「市場価値」が決まる方法さえ理解してしまえば、あなたの市場価値がどの程度かを測ることも、それを上げることも難しくないからです。
この記事では、転職市場で言われるところの市場価値という考え方について解説したのち、それを向上するために必要な行動を紹介します。
記事を読み終えたあなたは、自分の市場価値を上げるための第一歩を踏み出すことができるようになっているでしょう。
上げろ!自分の市場価値!
Contents
最速で転職における市場価値を上げる方法
市場価値は他人が決めるもの
まず、転職における市場価値ってなんなのかをはっきりとさせましょう。
市場価値はあなたが持っているスキルや経験をもとに企業が算出した、あなたを雇うときに支払う報酬の相場と言い換えることができます。
つまり、仮にあなたの持っているスキルや経験と全く同じ人がいる場合、あなたとその人の市場価値も同じということになるのです。
ここで一番大切なのは、この市場価値を決めるのは企業側であってあなたがどうこう言えるものではないということです。
イメージしやすくするために学校で受けた試験を例に考えてみましょう。
試験は、学校に行って、試験を受けて始めて点数をつけてもらえます。
いくらあなたの頭の中に試験の答えが入っていても、白紙で提出したら点数はつかないですよね。なのでテストで点数を稼ぐには、頭の中にある知識を試験の解答用紙に書ききる必要があります。
つまり試験で点数がつけられるのは「頭の中にある知識」ではなく、「解答した知識」ということになります。
話を転職に戻すと、「頭の中の知識」=「あなたの実際のスキル・経験」、「回答した知識」=「あなたが表現しているスキル・経験」と置き換えると分かりやすいはずです。
会社はあなたが今まで社会人として培ってきたスキルや経験そのものではなく、あなたが職務経歴書や面接で表現しているスキル・経験を参考にあなたの市場価値を測るのです。
市場価値は企業にとって、人としていかに貴重かで決まる
市場価値という言葉の意味がわかったところで、その市場価値(あなたが持っているスキルや経験をもとに企業が算出した、あなたを雇うときに支払う報酬の相場)はどのように決められているのでしょうか。
これは、ものの価値が決まるのと全く同じ理屈であると言えます。
例えば同じペットボトルの水でも、蛇口をひねればいくらでも水が出てくる日本と、砂漠だらけで基本水不足の状態となっている国ではその価値は大きく違うでしょう。
ものは貴重なほど価値が高くなります。
これは人も同じで、貴重な人ほど価値は高くなるのです。
そして、転職をする上では下記の2つの観点で貴重さは決まります。
- その仕事をするために必要な資格やスキルを持っている人の数
- その仕事をしたいと思う人の数
例えば高収入な仕事の筆頭とも思われるエンジニアの方達は、例えばプログラミングのスキルを持っている人が、社会的に必要としている数よりも少ないことから収入が高いと言えます。
また、人の命を預かる看護師と多少仕事でミスったところで死人が出ることのないオフィスワーカーの給料を比べても、重大な仕事をしていそうな看護師のほうがお給料が高いと言い切れないのは、看護師をやりたいと思う人と、つまらないオフィスワークをやりたいと思う人の数が関係しています。
つまり、多くの人ができないようなことをできるようになるか、誰もやりたがらないことをやれば、企業にとっての人としての貴重さは増していきます。
市場価値は見る人によって変わる
また、もう一つ忘れてはいけないことがあります。
それは、市場価値が見る人(=企業)によっても変わりうるということです。
今度は大学受験を例に考えてみましょう。
大学受験って、受験する学校によって必要な科目(国語とか数学とか)が変わりますよね。ある学校では英語・国語・社会だけで受験ができるけど、他の学校では英語・国語・数学・理科・社会の全てが必要になる、といった具合にです。
また、同じ学校でも科目によって科目の点数が違うこともあります。国語と社会はそれぞれ100点満点だけど、英語は200点満点、みないなことです。
これってつまり、学校ごとに評価する科目が違うということです。
これは会社でも同じことが言えて、「科目」を「スキル・経験」に言い換えると、大学によって受験で評価する科目が違うのと同じように、会社や業界によって必要となるスキル・経験は全く異なるのです。
例えば営業を例に考えると、とても新しくてまだ大口の顧客もついていない状態の会社が評価するのはやはり新規で顧客を開拓できるスキル・経験がある人でしょう。
しかし、一方でもう新規開拓も見込めずいかに今いるお客さんが離れていかないようにするかが重要な老舗の会社であれば、新規顧客は必要としていないのでこの人の評価は高くなりにくいと言えます。
最速で市場価値を上げる方法
ここまでで、転職における市場価値とは何か、市場価値はどのようにして決まるか、ということがわかったかと思います。
ここからはようやく、市場価値を上げるためには具体的にどのようにすればいいのかを2つ説明していきます。
これら2つを順番にやっていけば、今のままのあなたの価値を最大化できるはずです。
【方法1】「表現したスキル・経験」の最大化
本題に入る前に、、
ちょっと学生時代を思い出してほしいのですが、頭ではわかっていたのに試験になると答えられなかったという経験はありませんか?
これってめちゃくちゃ悔しいんですが、結構多くの人が経験あると思います。テストが返却されてから、なんでこれを間違えたんだって思うやつです笑
これは、「解答した知識」が「頭の中にある知識」よりも少ないということを意味しており、また、よく起こることでもあります。
要はテストでいい点数を取るためには、「頭の中の知識」を増やすだけでなく、「回答した知識」を頭の中の知識に近づけるための準備が必要ということです。
高校受験や大学受験の時に過去問で対策した、という方は多いと思います。
よく考えるとこれって過去に出た問題をやっているわけですから、「頭の中の知識」を増やすことにはつながっていないですよね。でも、過去問で対策しない受験生はいないと思います。
過去問を解くべき理由、それはその学校の入試の傾向から「回答した知識」の作り方の訓練になるからに他なりません。
さて、ここまで言えばもうお分かりでしょうか。
最速で市場価値を上げる方法の1つ目。それは、「表現したスキル・経験」を「実際のスキル・経験」に近づけることです。
これは言い換えると①自分の持っているスキル・経験を正しく認識し、②誤解のないように企業に伝える必要があるということです。
①自分の持っているスキル・経験を言葉にする
このためには、業務の棚卸しが一番の近道です。
具体的な方法については下記の記事で紹介しているので、参考にしてみてください!
業務の棚卸しをしよう!【1時間くらいで終わります】 | すえきちチャンネル
②誤解のないように企業に伝える
これは、まず職務経歴書を書くことから始めるといいでしょう。
リンクが続いて恐縮ですが、これについては下記の記事で紹介しています!
エージェント担当者から褒められた!職務経歴書の書き方 | すえきちチャンネル
【方法2】最大化したスキル・経験が最も評価される会社を探す
大学受験の受験科目の例でも説明しましたが、市場価値は見る人によって変わります。
つまり、【方法1】で最大化したあなたのスキル・経験を最も評価してくれる業界や会社を見つけることができればあなたの市場価値は勝手に上がります。名付けて、得意科目で勝負しよう作戦!(ダサい)
これ、聞いてみるとなんだそんな簡単なことかよ、と思う人が多いと思うのですが、意外とやっている人が少ない印象です。
なんででしょうね…
みんな自分の欠点を補うことを考えているからかもしれませんね。
自分のできていることをしっかりとわかっていないとできないことではあるので、過剰に謙虚な日本人にはちょっと難しいのでしょうか。
さて、そんな日本人がなかなかやっていないと思われる得意科目で勝負しよう作戦!(ダサい)は、あなた一人でやるには少し難しいかもしれません。
その理由は、世の中にある業界・仕事をあなたは幅広く知っているわけではないからです。
あなたがどんなに自分の得意科目を理解して、それを上手に表現できるとしても、より高く評価してくれる業界や会社を知らなければどこに自分を売り込めばいいのかわからないですよね。
そこで餅は餅屋、転職はキャリアアドバイザーとなるわけです。
キャリアアドバイザーは転職エージェント(リクルートエージェントやマイナビエージェント)に登録するとあなたの転職をサポートしてくれる人たちです。(ほとんどは無料で利用できます!)
このキャリアアドバイザーにあなたのスキル・経験が活かせると思われる業界や会社を紹介してもらいましょう。
転職エージェントに登録するとキャリアアドバイザーとの面談がセッティングされます。この面談の前に、【方法1】書いた職務経歴書を送っておけば後はその内容に見合った業界や会社を紹介してくれるはずです。
まとめ
ここまでの内容もまとめると下記のようになります。
・市場価値は試験や受験と一緒で、解答した知識(=表現したスキル・経験)が評価される上に、大学(=企業)によって評価する科目(=スキル・経験)は異なる。
・試験の点数(=市場価値)を最大化するためには、解答した知識(=表現したスキル・経験)を頭の中の知識(=実際のスキル・経験)と同程度にすれば良い。
・自分の得意科目(=実際のスキル・経験)をより評価してくれる大学(=企業)を探せば点数(=市場価値)は上がる。
多くの場合、市場価値を上げるのにスキルアップは必要ありません。
もしあなたが、自分の市場価値をあげたいと思ってスキルアップを模索しているのであれば、どんなにスキルをあげてもそれをうまく表現できなければ全く市場価値は上がらないのでそれは多くの場合不要になってしまいます。
今のあなたでももっと市場価値を上げられる可能性は高いので是非、この記事に書いたことを実行してみてください!